生涯最初のヘア・スクランブル 1
ヘア・スクランブルという名のつくエンデューロに出たのは初めてだった。基本的なルールは昔々に参加した耐久モトクロス的なエンデューロと一緒。決められた時間内により多くの周回をより速く走った人が勝ち。違うのは、モトクロスコースでなく森林コースが主体となっていること。モトクロスコースを1週走るとそのまま森の中へとコースが続く。森の中はほとんどが幅1メートルのトレール。バイク走行を前提にくねくねと森を走るダート通で、雨で浸食されたり、加減速で削られたり、ワダチになっていたり、ウォッシュボードになっていたりする。さらに奥に行くと、バイク一台がやっとで通れる程度の木と木の間を縫っていくシングルトラック。で、またトレールと続き、モトクロスコースに戻ってくる。その間に、いくつかテクニカルな難所が設定されてあり、初心者にはちょっと厳しい所には遠回りのエスケープルートも設けられ、初級者から上級者まで楽しめるようになっている。1周16キロくらいだ。
自分は2週間前に高熱を出し、すっかり体力を消耗してしまったので、持久力に不安がある。そのせいもあり、チョイ乗りを除くとろくにバイクにも乗っておらず、全くの練習不足。とりあえずヘア・スクランブルは初出場でもあるので、参加できる一番下のクラスにエントリーした。レース時間は一時間という。短くてホッとしたような、一時間で終わっちゃうんじゃ物足りないような。
ライダーズミーティングは朝7:30から。その前に当日エントリーを済ませたいので、7時には到着していたい。会場は自宅から1時間半離れている、ということは、朝は遅くても5:30に出発したい。前日中にトランポにバイクを積み、主だったギアも放りこんでおいた。後はジャージなどその日の朝に身につけるものとキャメルバッグのみ。で、いよいよ当日。朝はギリギリ間に合う5時を狙って15分寝坊の5:15分起床。実は想定済み。あわててさっとシャワーを浴び、着替えて家を飛び出す。
朝食は朝早くから開いているドーナツ屋に決めていたが、ドーナツより栄養がありそうだという理由で直前にマクドナルドに変更。ところが朝早すぎて最寄のマックはまだ開いていない。道中にある2軒目も開いていなかった。3件目は24時間営業の大型スーパーの中にある。レース中に飲む水を大量に買い込みつつ、マックをのぞくがまだ開いていない。ここでキャメルバッグを忘れてきたことに気付く。いまさら遅い。今日はレース中の給水なしだ。さらにレース会場へ向けて運転していくと、スーパーからそう遠くない所にまたマックがあった。不思議にも何回も通った通りなのに、今まで店の存在に気付かなかった。次回からは直接ここに来よう。
ドライブスルーではコーヒーにミルクと砂糖を入れてくれるサービスがある。自分はミルクのみ、砂糖無しが好だ。マフィンのサンドイッチと一緒にそれを注文した。ところが運転再開して間もなく、受け取ったコーヒーには砂糖が入っていることに気付く。引き返して文句を言うにも、今朝はすでにマックに4回立ち寄ったため時間が押してきてしまっている。仕方なく砂糖入りを口にするが、甘くて飲めたものじゃない。2口3口飲んでやめてしまった。たかがコーヒーでも、朝のコーヒーは既に習慣となっており、待ち遠しく思っていたので、妙に心残りになった。
会場まであと20分の所まで来ると、朝食を取ったせいか腸の活動が活発になり、トイレに行きたくなる。そのまま会場に行って汚い簡易便所で用を足すよりも、どうせだったら手前で止まってきれいなトイレを使いたい。で、会場周辺の何もない田舎町で目に入ったのがまたマック(笑)。一日で、しかも朝だけでマックに5回も立ち寄ったのは、これが最初で最後だろう。せっかくなので砂糖なしのコーヒーを買い、万全の体制で会場へ入ったのであった。
続く。
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